大会前日

the Last Peaceful Day

 

 アメリカの朝。NJ(ニュージャージー)は関門海峡ほどの緯度。極寒を予想していた。しかし、現実は異なる。普段は大雪に見舞われやすいものの、今年は寧ろ7°Cほどあり、暖かいとすら感じられる。日本はシベリア気団にやられてこんなにも凍てつく寒さなのか。

 なんと一昨日、Rainさん御一行(敬称略:Rain, 9B, Otori, Kakera, Abadango, Kurobi, Mikeneko, Kairo, Shimitake, Suinoko)は、待ち合わせが上手く行かず、結局泊まるこの家に着くまで24時間ほどかかったそうで、それが心配になり、残りの Fuwa&Earth(ふわ&あーす) さんの迎えには日本勢もついていくことを考えた。しかし、迎えには、NYにいるプレイヤーが行くらしく、なんとかなりそうでありながら心許ない感触がぬぐえなかった。

 そして、朝10時頃。なんと、Fuwa&Earth は到着した。早きこと風の如し。ちなみに家主の寮に住んでいる一人、Krista さん(♀)は「風林火山」という言葉が好きらしい。

 なんとも心地よい冬空。

 ZeRo が付いてきた。改めて ZeRo を紹介する。昨年のApex2012で17位をとったチリのメタナイト。今は CLASH TOURNAMENTS がスポンサーに付いているので、CT ZeRo と名乗っている。

 テンションが高い。一日中元気。寝て無くても元気。このポーズ→は、9Bさんに永久投げ連され、笑わせて中断させようとしているときにやってくるもの。

ただ、9BさんはこんなポーズをしているZeRoをにらみ返して、笑顔で投げ連してフィニッシュする。画面を見なくても完走できる。流石。こいつとは違う。

↑朝のIE宅。というか寮。

ふわ&あーすさん等とごはんへ赴く

 で、New Brunswick の街に車で入る。食べ物の選択肢は、あまりない。そこは東京とは違う。Burger King か、Subwayか。

結局の Burger King

 試合会場にSubwayがあるため、ここはBurger Kingにした。でかい。メニューはでかい。で、ドリンク、これはMサイズ。で、このサイズ。扇子と比較して下され。しかもおかわり自由であった。しかし、ZeRo はSubwayに行った。

 Subway は、店員がいまいち英語が出来なかったらしい。ZeRo はスペイン語ネイティブなので、店員もスペイン語なら分かるらしく、それで対話したらしい。


 とりあえず、スペイン語は今やUSAで最も支配的な言語らしい。それは主観的すぎるかも知れないが、少なくとも New Jersey に住んでいるとそう感じる、と述べていた。なぜなら、USAでの労働者は殆ど南からの移民だからだ。店員や、サービスで客と接する店員は殆どがそれにあたるらしい。すると、やはりスペイン語を話す機会は増える。

 USAも事情はどんどん変わっている。この国はどうなっていくのか。とりあえず、ZeRo と Nekokatsu はスペイン語で対話していた。

 まだZeRoはのんきに「黒人強すぎる…黒人強すぎる…」とか言っていた。

 という訳で大会前夜。

↑ IE6宅。建物内2F。

→ 日本人部屋

練習するみなさん

 この夜は様々なことを話した。ZeRo, Nekokatsu, メキシコの連中, Ryo などと。円になって座り、各々ソファ・椅子・床に腰掛け、日本のことを話した。

 ここの人たちは日本が大好きだ。ここがスマブラーだらけだから、ということもあるのであろうが、IE6 のこの寮は、スマブラー問わず日本が大好きである。例えば、我々をメインに手伝ってくれたのはIE6, Alex Chen, Krista なのだが、Alex, Krista の二人は日本語がわりと上手である。アクセントの取れた日本語を話すことが出来る。特にKrista は、日本のICUに1年留学に来ていたらしい。

↑ IE6はこの人。(再掲)

Alex Chen →

← Krista

Apex会場にて)

 そういえば mikeHaze の彼女も少し日本語をやっていた。それどころか、ここでは日本語は

第3の言語

the 3rd dominant language

らしい。そんなことはないと思うのだが、英語・スペイン語は学校で必修として、追加で学ぶ言語としては日本語が一番人気だそうな。この地域だけではないか?と思うのだが、NJだけだとしても十分驚嘆に値する。


 ただ、日本の人気はNJに留まらないと謂うことを、この夜充分に思い知らされた。Nekokatsu や Ryo やら、皆さん日本のことを知っている。様々な質問を受けた。

 「日本の学校って本当にああいう感じなの?」

というものがあったが、ばかげている。そんな訳がない。つまり、女子生徒の胸の形状が異様に強調された赤いエプロンスカートタイプの制服が指定され、男子がこけて女子のショーツに直撃、といった学園生活はありえないのである。それを説得するのに時間がかかった。ちなみに、むしろ女子制服は女子の体のラインを隠すことが目的になっていることが多い。

 「メイド喫茶行ったことある?」

という質問も。私しかなかった。ただ、めいどりーみんがアメリカ進出するだろ?という話をしたが、

「日本現地じゃないと駄目なんだ!」

という回答だった。

 日本人の女性のイメージアップは、やはりアニメ・マンガに由来するところが大きいだろう。

 ただ、日本男子もモテるという実感もあった。こちらに来てみれば、話しに来てくれる女性が沢山いる。物珍しさに寄ってきているだけかも知れないが。それでも、女性と会話する時に壁を感じないところは、日本よりも遥かに気が楽。

 とりあえず、日本選手の人気は、日本国の人気にも押されているとは思った。

 

 といった具合で、前日の夜は過ぎて行った。たしかソファの上で眠った。こういった他愛もない時間が、もっと欲しかった。9Bさんが謂っていたが、

「Wifiの遅延が無くなっても、オフはなくならない」

ということ。たとえアメリカとの遅延が無くとも、またスマブラーと会う為に、こちらの大会に来たい。

 周りの大学生には、留学という名目のノンディグリー、心の中は遊びで一杯で、きちんとした大学にてきちんとした学生と共に過ごす連中はいる。それよりも、余程良い経験が出来たと胸を張って謂える。

 
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